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スポーツ別の外傷・障害
成長期の小中学生は、身長の急激な伸びと共に骨も大きくなりますが、筋肉や腱などの軟部組織の成長は比較的遅れがちです。
この成長速度の差により、身体のアンバランスが生じ、スポーツ時の障害や外傷へとつながることがあります。
スポーツの種別ごとに多い障害・外傷は以下の通りです。
野球
野球肩
投球時の負荷によって肩関節に障害が発生します。
野球肘
投球による肘の障害。肘の外側・内側・後方に分けられ、部位ごとに損傷が異なります。
サッカー
オスグッド病
膝の過剰な使用による症状で、特に小中学生に多く見られます。
フットボーラーズ・アンクル
足首の骨同士が衝突し、障害が生じる症状。
テニス
テニス肘
ボールを打つ際の負担により、肘や手首に炎症が生じる。
バスケットボール
足首の捻挫
運動中の転倒や不意の動きで足首をひねり、痛みや腫れが生じます。
ジャンパー膝
膝関節の屈伸動作により発生しやすい症状。
ゴルフ
ゴルフ肘
肘の内側に負担がかかり、炎症が生じます。
卓球
靭帯損傷
足首の靭帯が損傷する症状。適切な固定と安静が必要です。
バレーボール
アキレス腱の断裂
急激な動きによるアキレス腱の損傷。手術治療が必要な場合もあります。
陸上競技
肉離れ
筋肉が断裂することで起こる。主に太ももやふくらはぎで見られます。
疲労骨折
同じ動作の繰り返しによる骨の微小な損傷。
スポーツ別の障害・外傷の初期治療
スポーツ別の障害・外傷には、RICE療法での初期対応が推奨されています。
スポーツ活動中の障害や外傷は、早期発見・早期治療が重要です。
RICE療法とは
RICE療法は、スポーツ外傷や軽度の怪我に対する初期治療法で、急性期の炎症や腫れ、痛みを軽減するために広く用いられています。
RICEは以下の4つの英語の頭文字を取ったものです。
Rest（安静）
損傷部位にかかる負担を最小限に抑えるため、動かさず安静に保ちます。
Ice（冷却）
損傷した部位の炎症や腫れを抑え、痛みを緩和するために冷却します。通常は氷のうや冷却パックを使用し、直接肌に触れないようにタオルなどで包んでから患部に適用します。
Compression（圧迫）
腫れを抑えるために、損傷部位を適度に圧迫します。圧迫バンドや包帯を使用し、締め付け過ぎないように注意します。
Elevation（挙上）
血流を促進し、腫れを減少させるために、損傷部位を心臓よりも高い位置に保持します。
RICE療法をもっとも効果的におこなうために
RICE療法は、怪我をした直後から48時間以内におこなうことがもっとも効果的です。
ただし、重度の怪我や改善が見られない場合には、医療機関での専門的な診断と治療が必要となります。
土佐整形外科のスポーツ整形
スポーツによって怪我の種類は異なりますか？
スポーツの種類によってよく見られる怪我は違います。
例えば、女子バスケットボール選手では前十字靭帯の怪我が多く見られます。これはジャンプの着地時に膝が内側に入りやすいためです。
また、コンタクトスポーツではタックルを受けたりすることで、怪我をしやすいです。
野球でよく見られる怪我はありますか？
野球では、「野球肘」と呼ばれる肘の怪我が多いです。
特に少年野球で、骨端線が閉じる前に過度な負荷をかけると、骨折や慢性的な痛みが生じやすくなります。早期発見と適切な治療が重要です。
スポーツ選手にとって、定期的なフォローアップの重要性についてくわしく教えてください
定期的な検診やフォローアップは非常に重要です。定期的にコンディションを確認しておくことで、手術を避けられる場合も多くなります。
また、早期に適切な対応をすることで、長期的なリスクを最小限に抑えることができます。
スポーツを続けるためには、体のケアと正しい知識が大切となります。体のどこかに痛みや違和感を感じたら、そのまま放置せずに、専門医に相談をしていただきたいと思います。
また、日頃から何でも気軽に話せる専門医を見つけておき、体の状態を常に把握してもらっておくと、治療には非常に役立ちます。
土佐整形外科でも、アスリートの皆様が良いパフォーマンスが発揮できるようにしっかりとサポートさせていただきますので、お気軽にご相談ください。