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人工関節手術とは

人工関節手術は、主に変形性関節症、関節リウマチ、外傷などにより損傷した関節を人工のものに置き換えることで痛みを軽減し、関節機能を回復させる治療法です。肩、肘、手の指、股関節、膝、足など、多様な関節でおこなわれています。特に高齢者に多く見られ、さまざまな関節において手術件数は増加傾向にあります。

人工関節の歴史

人工関節の歴史

人工関節の歴史は長く、1800年代後半からセルロイドや金属、象牙などを使用した試みが始まりました。1950年代に入ると金属を用いた人工関節の臨床応用が始まり、長期にわたる研究と開発を経て、現在では金属、ポリエチレン、セラミックを使用した耐久性のある人工関節手術が確立されています。

さまざまな人工関節

人工指関節

人工指関節置換術は、関節が小さく、周囲の軟部組織が複雑で繊細、さらには関節間のバランスが重要な役割を果たすため、開発が難しい手術の一つです。最初の金属製ヒンジ型人工指関節が登場したのは1958年で、その後、さまざまなタイプの指関節が試みられましたが、骨吸収やインプラントの破損などの合併症が課題となりました。1964年、Swansonがシリコンエラストマー製の一体型フレキシブルインプラントを導入し、これが関節の安定性をもたらす新たな方向性を示しました。しかし、長期使用や過度な使用による問題もあり、1980年以降、より改善された複数のコンポーネントを持つ半拘束型インプラントの開発が進められましたが、主流は一体型フレキシブルインプラントのままです。

人工膝関節

人工膝関節置換術は、痛んだ膝関節を人工物で置き換え、関節機能を回復させる手術です。除痛効果と関節機能の大幅な改善が特徴で、術後は歩行がスムーズになり、筋力や動作スピードも向上します。術後15年で90%以上の高い成功率を誇り、年間9万件以上が実施されています。対象は変形性関節症や関節リウマチの患者で、年齢層の拡大に伴い若い世代への適応も増えています。安全で効果的な手術であり、生活の質を大きく向上させることができます。

人工肘関節

人工肘関節置換術は、関節リウマチや変形性肘関節症、上腕骨顆部粉砕骨折の治療法です。金属製の上腕側とプラスチック製の尺骨側部品を用い、痛みを除去し、日常生活の動作を可能にします。半拘束型と非拘束型の2種類があり、耐久性は10年で85~90%ですが、一部には再置換が必要なケースもあります。(詳しく下に解説があります)

人工股関節

人工股関節手術は、股関節の痛みを軽減し、機能を回復させる外科治療の一つです。1950年代に本格化し、股関節にかかる負荷に耐えうる材料や手術方法の研究が進み、耐用年数の大幅な向上が達成されました。現在では、手術後20年経過しても多くの患者が再手術の必要がなく、研究開発はさらなる進化を目指しています。

人工肩関節

19世紀後半に始まり、1950年代から本格的な開発が進んだ人工肩関節置換術は、リバース型全人工肩関節置換術の導入により、手術の満足度が大きく向上しました。しかし、特定の動きの制限やリスクも指摘されており、高齢者や特定の病態に限られています。若年者では、より小さな人工骨頭を用いることで腱板の再建を試みる方法もありますが、全人工肩関節置換術による正常な機能回復が21世紀現在の目標となっています。

人工足関節

人工足関節置換術は、足関節痛の軽減と関節可動域の改善を目指す手術で、年間約400件と比較的少なく、専門施設でのみ実施されています。術後の合併症リスクはありますが、多くの患者様が日常活動性や生活の質の向上を実感しています。変形性足関節症に悩む方にとっては、人工足関節置換術は選択肢の一つです。

高齢者に多い人工骨頭置換術

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人工骨頭置換術とは

人工骨頭置換術は、特に股関節近くの大腿骨骨折を対象にした手術で、損傷した骨頭を人工物に置き換えることで、患者様が早期から歩行可能となる治療法です。日本の高齢化が進む中で、転倒や骨粗鬆症による大腿骨頸部骨折が増えており、適切な条件下で人工骨頭を用いることで、手術翌日からの歩行が可能になりました。

人工骨頭置換術のメリット

患者様にとっては次のような多くのメリットがあります。

  • 早期リハビリの開始
  • 認知症や肺炎などの合併症予防
  • 短期入院による経済的負担の軽減
  • 早期の日常生活復帰

大腿骨骨折と股関節骨折が股関節に与える影響

股関節は骨盤と下肢をつなぐ重要な関節で、大腿骨頭が骨盤の寛骨臼蓋に収まる構造をしています。大腿骨頭には上半身の体重がかかるため、骨折すると激しい痛みを伴い、座ったり立ったりすることが困難になります。股関節骨折は主に大腿骨頸部や大腿骨転子部で発生し、関節包内外の骨折に分類されます。昔は「不治の病」とされていましたが、医療の進歩で「治る病」となりました。高齢者でも骨折をする前と変わらない生活をお過ごしいただけます。

人工骨頭置換術の手順

人工骨頭置換術の手順は、まず大腿骨頭の切除から始まります。麻酔を施した後、皮膚を切開し、骨折部を露出させ、損傷した大腿骨頭を取り除きます。次に、大腿骨髄腔内にステムを挿入します。最後に、人工骨頭とステムを組み合わせ、関節の動きを確認した後、切開部を縫合して手術を終えます。人工骨頭置換術により、患者様は手術翌日から立位・歩行が可能となり、日常生活への早期復帰が期待できます。

088-840-1118

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